日本ビジネス航空協会 会報

 

 

刷新版 第 4 号 隔月刊

200811月1日

 

(NPO法人)日本ビジネス航空協会

 

 

    巻 頭

 

ビジネス航空と経済環境

 

昨年より日本ビジネス航空協会(JBAA)の新しい活動として始まった、全米ビジネス航空協会(NBAA)コンベンション視察ツアーが今年も行われた。詳細は別項をご参照いただくとして、部分参加者も含めて今回26名が参加され、コンベンションの他にも3か所のFBO視察始め多くの有意義な成果を得られたことは、JBAAの活動が充実しつつある証として誠に喜ばしい。

 

その現地で今回新型機の発表などと共に注目を集めていたのが、最近の米国を震源とする世界的な経済収縮のビジネス航空への影響であった。一部には大きなダメージを心配する向きもあったが、少なくともコンベンション会場を見る限り入場者がやや減少した他は出展企業数も展示機体数も過去最高であり、NBAA会長エド・ボーレンも「燃料の高騰と経済の減速という大きな打撃を受けている最中の開催ではあるが、価値あるマーケットと会員企業のネットワークを継続して示せることに感謝する」と評価していた。

 

事実2008年は上記の要因で伸びはやや鈍化するものの、世界のビジネスジェット機出荷機数は前年比18%増で過去最高の1,200機に達するとされており、2009年も膨大なバックオーダーに支えられて1,300機以上の出荷が予測されている。そして2年程度停滞があるものの年平均1500機以上の出荷が続き、今後10年間の出荷機数合計は過去10年の21%増と予測される。

米国では金融界のトップ企業が壊滅的な状況にあり、また各国の実体経済にも大きな影響が出つつあるにも関わらず、企業にとって多額な投資となるはずのビジネス航空がこのような粘り強さを見せるのは一見不思議である。

しかしこの疑問も欧米のビジネス機の使われ方や環境を具体的に見ていくと解けてくる。

 

まずビジネス機は最早パソコンと同様完全にビジネスツールとして企業活動に必要不可欠な存在となっており、欧米では効率的な事業を展開するうえで日常活動に無くてはならない優先度の高い機材なので、経済環境が厳しくなったからと言ってすぐに使用を止めるような贅沢品ではないこと。

次に過去には自社所有かチャーターという選択肢しかなかったが、最近はフラクショナルシステムやプリペイドカードシステムなどバランスシートへの負担が軽く様々な利用条件に柔軟に対応できるシステムが開発され利用者が増えてきたこと。

そして小型機輸送システム(SATS)計画などで、エアラインに依らない小人数の短距離輸送に安価で自由度の高い輸送機材としてVLJが次々と開発されつつあり、機体単位の契約から座席単位の利用の道が期待できるようになって、急速に受注を伸ばしていることがある。

しかもこのような状況が一部欧米諸国だけではなく、中南米、中東、インド、ロシア、中国などあらゆる地域に広がりつつあることが上記の疑問への答えである

一方翻って我国内の状況を顧みると、首都圏を始めとする空港の受け入れ態勢やビジネス機の運航の利便性を支える様々なインフラやシステムが不十分であり、小型機運送事業の基準となるべき連邦航空法FAR135に相当する法整備も未達で規制が多いのが現状である。

JBAAでは発足以来このようなハード・ソフト両面の整備促進に努力してきたが、今一つ自省を含めて問われるのが、果たして我々は本当に「タイムイズマネー」を実践しているであろうか、という点である。

 

今回の金融危機で再認識した通り、世界は益々狭くなりつつあり一国の経済のうねりは瞬く間に地球の反対側に波紋を届かせ企業活動に影響する。そのような中で多くの国の企業がビジネス航空というツールを駆使してタイムイズマネーを実践している一方、いつまでも我々が同じ土俵に上がらずにいたとしたら一体どのような未来があるのであろうかという不安である。

このような意識改革も含めて、「首都圏ビジネス機用空港利用促進に関する要望」事項の早期実現など、今後一層JBAAの活動が重要になることを認識させられたNBAAであった。

常務理事 金井大悟

 

     

◇ ビジネス航空界のトピックス

 

NBAA2008 at オーランド

 

ビジネス航空業界最大のイベントである今年のNBAA主催 61 Annual Meeting & Convention(NBAA2008)10月6日から8日までアメリカ、フロリダ州オーランドで開催された。

オープニングセレモニー等の諸行事や、各種セッション、屋内展示は、同市のオレンジカウンテイー・コンベンションセンターで、又機体の実機展示は近郊のオーランド・エグゼクテイブ空港で行われた。

NBAAの公式発表によれば、開催期間の入場者数は、30,811人、出展者数は1,183社、展示航空機数は139機に上り、昨年を上回ったと報じられた。景気後退の影響を危惧する声はあったが、現時点ではその影響を感じさせない盛況であった。

オープニングセレモニーではICAO PresidentDr.Gonzalezが基調講演を、FAA長官(現在はActingMr.Sturgellがリボンカットを行い、本イベントがビジネス航空業界だけでなく、航空業界全体を代表する大イベントデあることを強く印象付けられた。

当協会では、すでにお知らせしていたように昨年に引き続き今年もこのNBAAコンベンション視察を主目的に各地のFBO視察等も合わせた、米国ビジネス航空視察ツアーを主催した。ツアーについては下記協会ニュースを参照下さい。

 

 

     主会場になったオレンジカウンテイー・コンベンションセンター

 

 

IBAC 第48回理事会 at オーランド

 

NBAA2008に引き続き109日にIBAC(International Business Aviation Council)の第48回理事会がオーランドで開催され当協会理事がメンバーとして出席した。今理事会で、20092011IBAC会長として、GBAA(ドイツ)のMr.Gatzが選ばれた。又来年からの新メンバーとしての加盟が審議されているロシア(RBAA)の代表が初めてオブザーバーとして参加した。

 

LABACE2008 at サンパウロ

 

IBACからの情報では、LABACELatin America Business Aviation Conference and Exhibition 2008が、81416日にブラジル サンパウロで開催され、参加者は11,130名(昨年比83%増)、展示航空機48(35%増)、展示者90社(44%増)であった。ビジネス航空機およびその関連サービスの売上高は$340 million USDを超えたとの事であり、米国、欧州だけでなく地球の反対側でもビジネス航空が大ブレークしていることがわかる。

 

日経新聞フォーラム2008(ビジネス航空セミナー)

 

日本経済新聞社主催(当協会特別協力)の日経新聞フォーラム2008(ビジネス航空セミナー)が9月18日(木)12:3017:00に日経ホールで開催された。

日本経済新聞社によると、開催約一ヶ月前から、500人を目処に参加が募集されたが、締め切りまでに1000人近くの参加希望が寄せられ、この種のフォーラムでは異例の活況で会ったそうです。

当日は、主催者側挨拶に加え、国土交通省前田航空局長、経済産業省広瀬航空機武器宇宙産業課長からご挨拶をいただいた。山内一橋大学大学院教授(商学部長)による基調講演、国土交通省田村大臣官房審議官による特別講演に加え、当協会加茂理事によるプレゼンテーション、当協会中渓副会長がモデレーターを務めたパネルデスカッション等も実施された。当協会会員会社多数にもご協力いただきお陰様で大変充実した、有意義なフォーラムになりました。今後ともこのような機会が持てればビジネス航空への幅広い理解を増していただけるよい機会になるものと期待しています。

 

 

 新着情報

 

SMSSafety Management Systems)の導入

 

前号で業界上部団体であるIBACInternational Business Aviation Council)がSMSを導入する場合の手助けになるToolの開発と提供を準備している旨お知らせしましたが、その後のIBACからの情報では、開発は順調に進み、2種類のTool (SMS Tool KitSMS On-line e-Learning) ともほぼ完成したとの事です。

来年1月には販売が開始される見込みですので今後情報が入り次第お知らせしていきます。

 

 

    協会ニュース

 

JBAA主催NBAA2008等米国視察ツアーの実施

 

JBAAでは103日〜同10日にわたり標記のツアーを実施しました。参加人員は26名(うち14名は部分参加)でした。今年は、NBAAコンベンション視察を主目的にし、それに加えて規模の異なる3種のFBOを選び視察しました。往路はサンフランシスコに1日滞在し、サンフランシスコ国際空港で国際ビジネス運航の支援業務を行うFBO、オーランド地区ではオーランド市民空港内の標準的なFBO、また近隣の小空港を訪ねて、ローカルビジネス運航を行うFBOを訪ね、視察、意見交換などを行いました。最終日には近郊のケネディ・スペース・センターを見学しました。

第61回NBAA年次コンベンションの内容は前項「NBAA2008 at オーランド」のとおりです。視察団は開場と同時に入場、自由な動きで個々のビジネスを実践していただきました。なかでも非航空ビジネス企業として初参加された東京ビッグサイト様は、2009年11月に東京ビッグサイトで開催される「東京国際航空宇宙産業展2009」に合わせて、参考となる多くを得られたとのことでした。

開会2日目にはJBAA会員で独自に出展しておられた愛知県およびJAS社のブースを表敬訪問致しました。(写真) 

   

 

展示会場のJAS社ブース            展示会場の愛知県ブース

     

FBOについて簡単に触れますと、サンフランシスコ国際空港内のSignature社は世界に91の事業所と、2000人の従業員を抱える大型FBOで、サンフランシスコ事業所は3つの格納庫とターミナルで構成、1961年創業以来サンフランシスコ空港にある唯一のビジネスジェット専門のFBOで、国際運航に必要なCIQ業務はオペレーターの要請を受け、On Call Baseで対処しているとのことです。またオーランド エクゼクティブ空港内にあるShowalter社は、市営空港の性格上、ジェット機とプロペラ機にもサービスを提供している一族経営のFBOで、燃料、格納代金など売り上げの5%を管理母体に支払い、市と協調しているとのことでした。 (写真)

 

 

Showalter Aviation社ターミナルの視察団    DeLand市中心街にあるビルに書かれた壁画 

Deland空港は元海軍基地であったと

 

またDeland Jet Center社をオーランド郊外の地方空港、Deland空港に訪ねました。ローカル空港とは言え、500機の在籍機と2本の滑走路を持つ空港で、同社は主にプロペラ機の整備と預かり業務、燃料の売り上げから収入を得ているそうです。郊外にある自由度

を利して、飛行訓練所、郡営のペイント工場も空港内にあり協調して運営しているとのことでした。

(コンベンション速報、資料を持ち帰り事務局で保管しています、ご利用にはコピー等で応じられます)

 

航空局調査報告書への対応

 

先日実施させていただきました「首都圏ビジネス機用空港利用促進に関する要望について」の調査結果等をもとに、日本のビジネス航空発展の鍵になります首都圏ビジネス機用空港に関する協会としての要望(案)をまとめ、925日第1回の航空局総務課への説明を行った。今後正式要望書の提出、情宣資料の作成等を行っていく予定。

 

主要協会活動(9−10月)

 

9月 5日  首都圏ビジネス機用空港に関する検討会議開催

  11日  首都圏ビジネス機用空港に関する検討会議開催

18日  日経産業新聞フォーラム開催(特別協力)

  19日  航空局主催空の日記念式典参加

  25日  首都圏ビジネス機用空港に関する要望について航空局総務課に説明

101日  首都圏ビジネス機用空港に関する検討会議開催

3日−10日  NBAA2008参加及び同視察ツアーを実施

8日   IBAC 48回理事会(オーランド)出席

  21    首都圏ビジネス機用空港に関する検討会議開催

  27日  定例理事会開催

 

 

◇ ホームページのご案内

 

 協会ホームページ  http://www.jbaa.org/

 

ホームページで、新着情報等より詳しい情報を提供させていただいておりますのでご利用下さい。

 

    入会案内

 

当協会の主旨、活動にご賛同いただける皆様のご入会をお待ちしています。会員は、正会員(団体及び個人)と本協会の活動を賛助する賛助会員(団体及び個人)から構成されています。

詳細は事務局迄お問い合わせ下さい。入会案内をお送り致します。

 

    入会金 正会員   団体 50000円      個人 30000

        賛助会員  団体 30000円      個人 10000

    年会費 正会員   団体 120000円以上    個人 20000円以上

        賛助会員  団体 50000円以上    個人 10000円以上

 

 

    ご意見、問い合わせ先

 

事務局までご連絡下さい。

 

 

 

特定非営利活動(NPO)法人 日本ビジネス航空協会事務局

107-0062 東京都港区南青山2-5-17 ポーラ青山ビル9F

TEL: 03-5772-6738  FAX:03-5785-5965  E-MAIL:webmaster@jbaa.org